「職業的自尊心」を育もう!

「個人を幸福にしない日本の組織」(太田肇 同志社大学政策学部教授著 2016220日新潮社発行)を読みました。その中で第3章「管理強化が不祥事を増やす」という興味深い箇所がありましたのでご紹介します。

 

役所や大企業で発生する不祥事の分類

[粗暴型]     暴行、わいせつ、傷害、セクハラ、パワハラなど

[たるみ型]    不注意による事故、飲酒運転、無断欠勤、職務専念義務違反など

[私益追求型] 収賄、横領、不正受験、情実人事など

[未熟型]     単純ミス、事故など

[組織エゴ型] データや数値の改ざん、捏造、情報の隠蔽など

[ゴマすり型] 同上

 

これらのうち「粗暴型」「たるみ型」「私益追求型」については管理強化や服務規律の徹底、それに厳罰化の抑止力によって短期的には抑制できるかもしれない。

「未熟型」については、いくら管理を強化し、処分を厳しくしても効果はない。それどころか厳しく叱責されたり罰せらたりすることを恐れてパニックに陥ってしまうケースや、ミスを隠そうとしてより重大な結果を引き起こす場合がある。

一方、「組織エゴ型」や「ゴマすり型」については、管理強化の効果が期待できないばかりか、かえって逆効果になる可能性がある。「組織エゴ型」にしても「ゴマすり型」にしても組織に対して、あるいは上司に対して忠実な組織人によって引き起こされる不祥事だからである。

 

(中略)

 

「職業的自尊心」が組織的・個人的な違反とシステマティックな逆相関をもち、職業的自尊心の高い人ほど違反を犯しにくいという先行研究がある。(岡本・今野、2006)ここでいう職業的自尊心は『自分の職業が人によろこんでもらえる』かどうか、『自分の職業が社会的に認められている』かどうか、『自分の職業では自分の働きが同僚や上司に認められる』かどうか、といった項目からなる。

 

 要するに、世間から尊敬されたり、上司から認めれたりして自分の職業に対しプライドがもてれば、不祥事は減るというわけである。裏を返せば、上司から厳しく管理されたり、些細な違反で罰せれたりすれば自尊心が低下し、不祥事を起こしやすくなることを意味する。

(転載終わり)

 

とあります。

 

質問1 Amazon社会一般関連書籍ランキング第4位(2016/02/28現在)の『個人を幸福にしない日本の組織』を読みましたか?

 

質問2 職員の不祥事をなくすために職員の管理の徹底をより厳しくするという方法は逆効果になる可能性があり、職員の不祥事をなくすためには職員の職業的自尊心を高めるということが提示されていますがどのように思われますか?

 

質問3 職員の職業的自尊心を高めることは重要だと考えますか?また職員の職業的自尊心を高めるためにはどのようにすればよいと考えますか?


総務部長答弁

1.「個人を幸福にしない日本の組織」を読みましたか?

2.職員の不祥事をなくすためには職業的自尊心を高めると提示されているがどう思うか。

3.職員の職業的自尊心を高めることは重要か、それはどのようにすればよいと考えるか。

 

 

総務部長答弁

(答)お答えいたします。

まず、1点目の「個人を幸福にしない日本の組織」を読みましたか?については、早速読ませていただいたところです。

次に2点目の、職員の不祥事をなくすためには職業的自尊心を高めるということについては、そのとおりだと思います。

次に3点目の、職員の職業的自尊心を高めることは重要だと考えるか、 そのためどのようにすればよいのかについては、業績が上がった場合にはそれをきちんと認め、ほめることだと考えます。担当:総務部人事課】